終戦

14/20

5535人が本棚に入れています
本棚に追加
/969ページ
「そんな……でも、この大きさの建物を建てるのに、一体どれくらいの時間がかかるか……」 「それは分かる。……だけど、この壁の手触り、新し過ぎるぞ」 建物をしっかり建てるのは、プレハブ小屋を造ることの何倍時間がかかるか…… でも、この手触りと色は、間違いなく新品。 「待て、置いてくな!」 後ろから三村の声がした。 役場の入口で三村を待ち、三村が役場に入ると同時に俺達も入る。 中の光景は、信じがたいものだった。 何もない。会を開く為の大きな部屋には、子供の遺体すらいなかった。 「勘弁してくれよ……」 ない、なにも。ただの広いスペースがあるだけ
/969ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5535人が本棚に入れています
本棚に追加