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「……畳も新品だ。手触り、匂い共にこないだとは全く違う」
三村が苦い顔をして呟く。
「……次に、行こう。こんな所に長居しても仕方がない」
「そうだな。……畜生、こんなことがあっていいのかよ!」
三村が、珍しく怒気を隠さない。
三村が怒るのは当然だ。だが俺は、もっと違う感情を抱いていた。
それは、恐怖。
考えたくもないが、考えてしまう。
何故遺体が一人も見付からないのか。
何故建物が作り替えられたか。
……その理由なんて、とっくに分かってる。
分かっているから、こんなにも怖いんだ。
……奴らはこの村で、また始めるつもりなのだ。
あの、地獄のようなゲームを。
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