血染めのペシェ

2/15
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
 O.C.0055。 「ホラホラ、ほーらッ!!」  東京。  と、呼ばれていた時代は遥か過去の話。  都と呼ぶにはあまりにも荒廃しきったその場所は、高層ビル群だったモノが並ぶ廃墟。  かつて多くの人々が行き交っていた路上に、人間の姿は一つもなく…… 『グルルァァァァァァ!』  代わりに存在するのは無数の赤き鬼。 『グルルァ』 『グララララッ』 『ギリリリァァァ』 『グギャグギャ』 『ゲギャギャギャ』 『ゴゥァララララ』 『グルルァグルルルァ』  そして――、 「ハイ、次はアンタの番ッ!!」 ――ブシュッッッ!!  巨大な金属の一枚刀を振り回し、勢いよく鬼の首と体を両断していく女が一人。 「ほらホラ、ほらホラぁッ!」  廃路地を埋め尽くす赤黒い化け物を瞬く間に斬殺していく――女の名は、
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!