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その後ツアー集団(年配者多数…)は各場所を巡る。
(脚が痛くなってきたよ~。ヒール止めといたのになぁ…明日仕事大丈夫かなぁ…)
加奈の嘆きも虚しく、年配者が先陣を切って元気に歩いていく。
(公園に戻ったら、温かいお茶とお団子買って貰おう。)
この後、加奈の目論見は砕け散ることになる。
(お姉ぇ歩くの早いなぁ…お兄さんにピッタリ張り付いてるよ…)
最早加奈の存在は忘却の彼方に…
お兄さんの話を一言も聞き漏らさないよう熱心に耳を傾けている姉の姿が遠くに見えた。
「アタシ…一緒に来なくても良かったんじゃ…?」
あっという間に最後尾になってしまった加奈。
もう一人のボランティアに申し訳なくなり
「すいません。私、もう大丈夫なんで、先に行って皆さんについてあげて下さい。」
と申し出る。
大丈夫、とボランティアは言ったが、むしろ一人でゆっくり歩きたいと伝え、先に行ってもらった。
地図を片手に次の目的地を探しゆっくり歩を進める。
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