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「わ…土塁と竹藪…」
今まで地元の街中にこんな史跡が残っているなんて知らなかった。
ちょっと感傷的な気分になる。
「新撰組…どんな人たちだったのかなぁ…」
そう呟いた瞬間、突風が吹き荒れ竹藪がザワザワっと葉を揺らした。
「わっ!!!」
ストールが飛ばないよう握り締め、ギュッと目を瞑る。
少し経つと、静けさが戻ってきた。
「ん…?」
むしろ静か過ぎる…?
車の走る音や、お店から聞こえてくる有線、少し前までは確かに聞こえていた音が全く無に等しい。
慌てて様子を見に道へ戻る。
「う…そ…?」
其処には加奈の知っている街の景色など何一つなかった。
ガクガクと震える身体。
(何これ!?凄く怖い!)
とりあえず、頼りになりそうな人物がいないか探し始める。
「えっ…」
街行く人たちの姿は皆着物。
頭は丁髷?
夢…?
パニックになりながらも一生懸命考える。
(落ち着け…!落ち着いてアタシ!!!)
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