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「総司ぃ。此奴殺っていいかな?」
「総司!?って沖田総司!?」
……。
「あ…。」
思わず声に出してしまった。
沖田総司なら知っている。
「貴方…何故私の名前を知っているのですか…?」
い…イケメンだ。
そんなに顔を近付けられると…
(照れるー!)
「ゆ、有名人ですから…」
ドギマギしながらもやっと絞り出した答えがこれ…
沖田はやれやれといった表情で
「とりあえず、屯所に来てもらいますか…一応女中希望みたいですし…」
と加奈の腕を引っ張り歩き始めた。
(えーっ…ど…どうなっちゃうのー!?お姉ぇの馬鹿~!)
隣に沖田、後ろの筋肉マンにその他大勢…
(や…殺られる…こんなことなら、もっと遊びまくっておくんだった…)
押し寄せる後悔の波。
でも…どんなに嘆いても、この現実を受け入れ、生き延びなくては…
(よし!絶対負けない!!!)
持ち前のバイタリティが、こんな所で役に立つ日が来るとは夢にも思わなかった。
右も左も分からないまま、加奈の幕末生活はこうして始まった。
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