暁美パラドックス

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「えぇ、私やアンタみたいに強大な何かに敗けていきながら・・・連敗を重ねながら私達の人生は完成していくと思うわ」 純粋無垢な小学生が聞いたら泣き出しそうな理論である。 「でもさ。そんなのばっかじゃさ、つまんないだろ?人生」 「は?」 今度の「は?」は不良とかが使う威嚇ではなく、唖然としてしまった方の聞き返しだった。 「だからさ。敗けてばっかの人生なんて嫌だろ?普通」 「・・・」 「僕の答えとしては、たまに勝ってもいいんじゃないのかな?」 この言葉には度肝を抜かれたらしく、葉月は足を止めて僕を見詰め直した。 「・・・方法は?」 「分かんない」 分かんない・・・分かんないけど、  
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