暁美パラドックス

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送り主は噂をすれば何とやらの暁美だった。 メールには“楽しもうなっ”って書いてあった。 「・・・あぁ、楽しもうな」 戦うったってそれは今じゃない筈だ。 今すぐとか、疲れちゃうもん。そうだろ? 「・・・それに」 いつか、奇跡が起こるような気がするんだ。もっと言えば高校三年生最後のクリスマス会で死神さんに会えるような、そんな気がするんだ。 「何、一人でニヤニヤしてんのよ。気持ち悪い」  「あははは。よぉーし。久しぶりにはしゃぐぞぉ」 張り切った足取りで葉月より前に出る。 彼女も負けじと僕の前を抜き去る。 その横顔は何処か清々しさを感じた。  
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