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私の母親は、
私が小1のとき
出て行った。
幸せと思うだけ無駄だった。
幸せがこのまま続くなんてあるわけない。
わずかながら、小1の私は思った。
そんな私を見た父母は
気を遣ってくれたのか、
毎週日曜日に母親と会うことになった。
だから、あまり寂しさは感じなかった。
だが、自分の中で不安があった。
それは、
いつ母親のところに行きたいと思うか。
ということだ。
考え方は多少大人でも、
気持ちは小1と
なんら変わりはない。
そして、
とうとう恐れていたことになった。
そう、
私は母親と一緒にいたいと思ってしまった。
その気持ちを抑えられなかった。
私はその年の内に母親と一緒に暮らし始めた。
兄と一緒に行く。
ということを条件に。
私はそれが知らされたとき嬉しくて嬉しくて
たまらなかった。
あくまでも、私は。
兄は、よほど母親が嫌いらしく、喜んでいなかった。
ウキウキしながら、
段ボールに洋服を詰めた。
そんな私を見ている父親はとても悲しい顔をしている気がした。
だが
今の私はそんなことどうでも良かった。
小学校は変わらず、
少し遠くなっただけ。
兄は、母親が嫌いだから全くといっていいほど帰って来なかった。
でも充実していて、
幸せだった……
始めはね。
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