幼なじみ。

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2-2 杉並 杏。 そう自分の名前が書かれたクラス名簿を私はぶすくれながら眺めていた。 私達は今日から高校2年生になる。 いや…なった。 1番嬉しいクラス替えは私にとって苦痛となったのだ。 すべては―… 「また一緒かよ。」 コイツのせいだ。 田島 俊のせい。 「私だって、俊と同じなの嫌よ!」 少し怒鳴り口調で言うと俊は口の端を少し吊り上げて笑う。 目は笑ってない、冷めた表情。 素っ気なくて誰もが嫌いそうだけど、私はその仕草にドキンと胸が鳴る。 俊は、顔立ちがいい。 だからモテるのだ。 そんな私と俊は幼なじみ。 普通の友達の関係。
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