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クラスの前まで行くとすごく騒がしかった。
私が入ると絶対に静かになるんだ…。
自分に覚悟を決めさせる為に言ったのに胸がズキズキと痛んだ。
―ガラガラ
意を決して扉を開けると多数の人が私に目をやったけど、静まる事は無かった。
戸惑いを隠せない私に大人数の女の子達が駆け寄ってくる。
「杏ちゃん…1年の時はごめんなさい!! 私達先輩が怖くて逆らえなくて…。 でもそれって間違ってたよね! ごめんね!!」
みんな目が潤みながら謝っている。
「気にしてないよ」
私はぎこちなく笑みを浮かべて自分の席へ向かった。
女の子達はホッと胸を撫で下ろして"よかったぁ"っと笑顔だった。
その笑顔には嘘はないと私は確信を持つことができた。
「杏!!」
後ろから聞こえる声にビクッと肩を震わせる。
神田 凛
この子も一応ながら幼なじみ。
私の性格上を良く知っている。
「今日もタジと登校?♪」
ウキウキしたように見せる凛の笑顔は犬みたいで可愛い。
タジというのは俊の事だ。
私達は良く一緒に遊んでいた。
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