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ここは14歳の女の子が頂点に君臨しているお城。
王女の名前はリンという。
14歳にして王女となった彼女には小さい頃の記憶がない。
気付いた時には既に王女となっていたのだ。
そして、彼女は…
――――――――――――
「さあ、ひざまずきなさい!」
「はっ…はい…」
王女に命令された男はすぐさま膝をつき頭を下げた。
「貴女…王女の私に歯向かうつもり?」
「い、いえ!
そうではございません!
ただ…」
「ただ…なぁに?」
王女の目が細まった。
それを見た男はゴクリと唾を飲んだ。
「ま…町の者達が皆、病気で苦しんでおります…
その病気を治すにはこの城にしか取り寄せられていない薬草が必要なのです。」
「そう。だから?」
「や…薬草を…分けては頂けませんか?」
「聞かないわ。
牢屋に連れて行きなさい。」
「…ただちに。」
王女は黄色の髪をした召使に命を出した。
「まっ、待って下さい!
私は歯向かうつもりは全く持ってありません!
ただ町の住人達を救って頂きたいだけです!」
「早く連れて行きなさい。」
王女の目には既に男は映っていなかった。
「くっ……」
男が王女を睨んでも王女はそれには気付かない。
「…それでも一国の王女か!?」
ピクッ
王女の時が止まる。
「自分の国がこんなにも荒れ果てているのに王女のアンタは見て見ぬフリか?
自分の国の住人達を救ってやりたいと思わないのかっ!?」
「目障りよ。
もう喋らないで。」
王間がシン…と静まり返る。
そして、次の王女の言葉に男は言葉を失った。
「この者を牢屋には入れないで…」
「今すぐ死刑にしなさい。」
それから数十分後…断頭台には一人の男の頭だけが残されていた。
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