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「愛音?」
少し先で緒方が待っていた。
「歩くの早すぎたか?ごめん」
「いえ、すいません。大丈夫です」
「俺としては、この歳で人前で手を繋いで歩くのは少し抵抗がある」
「大丈夫です。ちゃんと付いていきますから」
「俺が心配になるから掴まりなさい」
愛音が少し首を傾げると緒方は愛音の腕を掴み自分の腕に絡めた。
緒方はゆっくり歩き始める。
クスクスクス…「また照れてる」
「余計なこと言うと置いて帰るぞ」
「嫌です。車まで絶対放しませんからね」
そこの祭りで特別な何かがあるわけではない。
ただ御輿を見たり出店を見たり歩くだけ。
愛音は幸せな気持ちになったがどこか不安にもなった。
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