目覚め

17/23
前へ
/450ページ
次へ
「愛音?」 少し先で緒方が待っていた。 「歩くの早すぎたか?ごめん」 「いえ、すいません。大丈夫です」 「俺としては、この歳で人前で手を繋いで歩くのは少し抵抗がある」 「大丈夫です。ちゃんと付いていきますから」 「俺が心配になるから掴まりなさい」 愛音が少し首を傾げると緒方は愛音の腕を掴み自分の腕に絡めた。 緒方はゆっくり歩き始める。 クスクスクス…「また照れてる」 「余計なこと言うと置いて帰るぞ」 「嫌です。車まで絶対放しませんからね」 そこの祭りで特別な何かがあるわけではない。 ただ御輿を見たり出店を見たり歩くだけ。 愛音は幸せな気持ちになったがどこか不安にもなった。
/450ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10400人が本棚に入れています
本棚に追加