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"すきだよ…"と言った緒方の声が繰り返し頭の中をグルグルまわる。
(私の何を?どこを?)
自分は緒方の事を何も知らないのに緒方は自分の何を知っているのだろう。
知っているわけがない。
愛音は真壁から財前に転属されて間もない。
緒方は叶夢付きで自分はまだ新入り。
周りに構う暇もなく雑務に追われている。
緒方とは挨拶以外の接点はない。
(からかわれた…?)
そう思えば愛音の中でしっくりきた。
(人気者の彼が私を選ぶなんてあり得ないわよ)
愛音は持ってきたカバンをぎゅっと掴み立ち上がった。
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