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由香は場所を変えた。
親指の根本を辿り、手首の内側に脈打つ血管を見つけた。
カミソリを入れる。
力いっぱい切ろうが、何度カミソリを入れて深く切ろうが死なない。
それはよくわかってる。
痛々しい自分を見てるだけで、気が晴れていく。
二回目に同じ場所にカミソリを入れた時、今までと違うものを見た。
血が噴き出した。
ドラマのように…
由香は焦ってスーパーの袋に腕を突っ込んだ。
スーパーの袋は重くなり、あっとゆう間に血で半分を埋めた。
血をフローリングに流してみた。
なんて綺麗なんだろう…
少し寒くなってきた由香は毛布を膝にかけた。
血は止まっていた。
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