ゴミ

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カンカンカン… 直ぐに気づいた。 ママだ!!!! ママだママだママだ!!!! 玄関まで何とか歩いて鍵を開けようと頑張ったけど、ママが自分で開けた。 「ママ、おかえりなさい!! 由香あんよが痛い痛…」 「くさっ!!! なんなのっ!!! くさいっ!!!」 由香の言葉は遮られた。 「ごめんなさいっ!! ママごめんなさいっ!!」 「なにこれっ!! あんた漏らしたの!? 部屋汚い!!!豚小屋かよっ!! ぁぁぁああああっ!! 汚ねぇなぁぁ!! あたしに掃除しろっつーのかよ!!!」 ドンッ!!!!! 由香の細い小さな体は壁まで吹っ飛んだ。 「痛いっ!! うわぁぁぁん!!」 「うっせーんだよっ!!」 ドカッ!!! 由香のへこんだお腹に、小さな背中に、母親の足が食い込む。 「うっ… ママ… ごめ…なさ……… ごめ……さ………」 ママやめて。 息も出来ずに、でも必死に謝った。うずくまりながら。 「聞こえねぇんだよっ!! 前から謝ってばっかりで直ってねぇだろ!!! この糞ガキッ!! 困らせやがって!! あたしに何の恨みがあんだよっ!!」 髪を掴まれ、床に何度も叩きつけられた。 由香は叫んだ。 でももう由香の叫びは声にならず、心の中で響き渡った。 ママやめて!! ママごめんなさい!! ママごめんなさい!!ママやめて!! ママ助けて!!!!! ごめんなさい!!!!!! ごめんなさい!!!!!! ごめんなさいっ!!!!!!
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