いらない子

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段々眠くなって、眠ろうとすると疲れた体はビクッとなった。 「ふぇぇ…ぇん…」 その度に消えかけた意識の中で小さく泣いた。 ガサガサッ ゴソッ 「ママっっっ」 由香が目を開けると、ママはゴミを捨てていた。 「由香、ゴミぽいしなかったの?ダメだねぇ」 いつもの優しいママだった。 「うぅ…ママぁぁあ」 「どうしたの?淋しかったかな?ママお仕事でね、ごめんごめん!!」 ママはテーブルを拭きながら笑って言った。 「由香ね、お利口だったの!!パンツ取り替えてね、それでね、ちゃんと寝んねしてね、それでね、それでね、えっとね…」 小さな頬に伝う小さな涙は止まらなかった。 ママは両手を伸ばし 「由香ちゃんっ!!よしよし…」 抱きしめてくれた。 臭いって聞こえた。 由香かな? 由香が臭いのかな? 一瞬考えたけど、ママの腕が気持ち良くてすぐに忘れた。
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