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ユリの花に囲まれて
眠る女の子の姿はとても絵になる
が
その状況に困っているのが
ギル・ロードマークである
彼は彼女の親戚である伯父様に彼女を呼んでこいと言われたのだが
ユリに囲まれて寝ている彼女
そう、千李は一度寝てしまうとなかなか起きてくれないのだ
「ハァ…」
溜め息をつき、覚悟を決めて千李に手を伸ばし、軽く揺さぶって起こそうとするが
何の反応も無い
時間が残り少ないのを確認すると
自分より少し高い千李を
背中に乗っけると
彼女の伯父様の所に向かった
─コンコン
「ラナ様、お嬢様をお連れいたしました」
ギルはとある扉の前に来るとノックをする
ノックをしてすぐに中から返事が返ってきた
「おぉ、そうか!!開いてるから入ってきていいぞ!!」
─ガチャ
「失礼いたします」
「お?千李は寝ていたか!!」
「はい、御自分の庭園の所で寝ておりました」
それを聞くとラナは「やっぱりな!!」と言って豪快に笑った
「千李も後数時間で大人になってしまうんだな…」
笑うのを止めると
どこか遠くを見るような目で
呟いた
.
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