高橋 勇

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『ああ違う。そそっかしい奴だな。ははは!』 と言ったところで表情が曇る。 『まあ、色々相談したかったがまた今度だ! 今週はお前に営業のイロハを叩きこんでやる! お前が一人立ち出来る様に。いつまでもオレがフォローって訳にはいかない。』 課長の言葉は単純に嬉しかったが、こんなオレに【相談】っていうのが気になった。 しかし、【相談】したかった内容について何度尋ねてみても、話しを反らされ、一向に話してはくれなかった。 ただ、今週一杯は木村課長が営業のノウハウをオレに全て叩きこむとの事で企業をかなり周った。 叱責も受けたが、勉強になる事だらけで、また課長に借りが出来てしまった。 そうして、なんとか一週間のノルマを終える。 最終日の最後に、木村課長から一言貰った。 『勇、今週はよく頑張ったな! それと……月曜日にはこの間話せずにいた【相談】したかった事を話したい』 どんな【相談】なんだろう? 気にはなったが、今週の疲れからか無言で帰宅するのだった。
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