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本当に覚えていない為、適当に流して続きを聞く。
『まあ、その千春ちゃんから今度の日曜日にデートに誘われたんだよね! デヘへ。』
『ま……まじか?』
いい知れぬ敗北感がオレを支配する。
これが彼女を作る事を諦めた男と、諦めなかった男の差か。
オレだって好きで諦めた訳では無い。生涯で10回も告白し、その全てが敗退。
中には確実に大丈夫だと思い、ランクを下げて挑んだものもあったが、全て駄目だった。
毎回言われる言葉は一緒。
『そのロン毛切ったら考えてあげる。』
結果的に諦めたのだ。
『おい勇! 何固まってんだよ! 聞いてるか?』
ハッ! と目をやると憎らしい顔のデブが目の前にいた。
『告白50連敗のお前だ。確かに悔しい気持ちもあるが、オレはお前を祝福するよ!』
『勇! お前……。』
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