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『床壊すなよ。』
勇が呟く。
『こないだは悪かったよ……。まさか床が抜けるとは思わなかったんだって! だからと言ってダイエットはしねぇぞ! でもお前は逆だ! もっと食えや!』
太一の言う事も一理ある。
大柄な太一と違い、勇は160cm・40Kg、風が吹けば飛んで行きそうな体格だった。更にロン毛。
目を隠す程に伸ばした前髪のせいで頭が大きく見え、古臭い。
本人だけが似合っていると思い込んでいるのだ。
二人は整理されたリビング中央にあるコタツに入ると、ビールの蓋を開ける。
それから、他愛も無い世間話に花を咲かせた。
どちらも、中小企業のサラリーマンである。独身で、特別な異性も居ない。
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