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花梨は手をコキコキと鳴らして俺に詰め寄る。
「あんた、どの口がそんな事を言うんだい?あんたの子供の頃の恥ずかしい話しを初音(ハツネ)にばらすわよ」
花梨が言う初音とは俺と同じクラスの女子 松山 初音(マツヤマ ハツネ)
このクラスのアイドル的存在、そして、俺がひそかに想いを寄せる人
「初―――」
「ワァワァ!!」
亮太は声を上げて花梨が初音を呼ぼうとするのを阻止した。
この花梨という女は本当に他人に俺の恥ずかしい過去をばらしかねない。
「仕方ない。今日はこの辺で勘弁してやろう」
花梨は俺をからかって満足そうな笑顔をすると自分の前の席に座った。
ちなみに大翔は俺の右斜め前とかなり賑やかな席なのだ。
でも俺の隣の席は空いていた。
元々はそこに席はなかった。
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