僕と少女と空と道

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 本当に寂れている商店街の通り。店の入り口はシャッターで閉まっていて、端から端までたくさんの平行線が走ってる。雨が降り出してきた。傘を持ってない。でも走って帰るのも嫌なので、濡れるまま歩いて帰ることにした。特にファッションや健康にはしがみつかないタイプなんだ。  学校から家へ帰るのにこの道は少し遠回りなんだけど、最近はいつもこの道を通ることにしてる。それは、いつもここに一人の女の子がいて、その女の子と話をするのが好きだからだ。僕に友達がいないからこんなことをしてる訳じゃない(多い訳でもないけど)。  今日もいつも通り文房具『たなべ』の前に彼女はいた。年齢は10いってるかいってないかくらいだ。藍色のレインコートを着て、いつも通り空を見つめていた。晴天であれ曇天であれ、彼女はいつも空を見つめている。  それにしても、雨はほんのさっき降り始めたばかりだ。降る前からレインコートを着込んでいたのだろうか…?余計だけど不可解なことが気になったりする。 「こんにちは」 「…んにちは」  フードから覗く子供特有の優しくまるく膨らんだ顔。綺麗な黒いストレートの長髪。ぱっちりとして、死んでいるような、だけど澄み切った大きな瞳。子供にしてはちょっと怖いくらい綺麗な子供。  彼女は即答するけど、あまりはっきり喋らない。僕自体に興味がない可能性はあるけど、別に子供らしくおもむろに怯えたり嫌がる顔をする訳じゃないし(喜ぶ訳でもない)。ただ、僕が聞いたことは答えてくれるし、彼女から喋ってくれるときもある。 「今日も探してるの?」 「うん…」 「見つかりそう?」 「わからない…」 「でもいつかちゃんと見つかるの?UFO」 「うん、ぜったい…」
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