0人が本棚に入れています
本棚に追加
【少女SIDE】
商人の護衛依頼を無事に終えた私はカロリスの最北端に位置する町"カストル"に帰ってきていた。
カストルは主に狩猟で手に入れた毛皮と
すぐ北にある凍海で採れる固有種の魚を売る事で生計をたてていて、
強力な魔物が数多く棲息する危険地帯に挟まれた所にある事からも有名なそこそこ大きな町だ。
そんなカストルに住む私はカロリス最大のギルドである『北の風』に所属している。
「久しぶりアンジェ」
「あら、リアじゃない護衛ご苦労様」
「まったくあのオヤジ(商人)何かといちゃもん付けて報酬を減らそうとしてくるからナイフ突き付けてやったわ
はいこれ護衛証明書と報告書」
『北の風』カストル支部に足を運んだ私は
受付をやっているアンジェについつい愚痴を漏らしてしまった。
「リアちゃんあんまり依頼主を脅しちゃだめよ」
そう言いつつ普通に書類を受け取るアンジェも私とあまり変わらなかったりする。
「それじゃあ報酬金はまた依頼受ける時に貰いにくるわ」
「あっちょっと待って」
いつものように立ち去ろうとした私をアンジェが止めた。
……なんだか嫌な予感がする
「大佐が帰って来たら部屋に寄れって言ってたわよ」
久々の自室のベッドが遠退いたのが分かった。
最初のコメントを投稿しよう!