序章

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いや・・・別に男が嫌いな訳でも苦手な訳でもないと思う、 ただ普段から関わる事が無いから男と二人きりになるのには抵抗があるというか・・・・ でも任務でそんな我が儘が通用するはずもなく、過去に男と組んだ事がない事はない。 しかし長期間の任務で男と組む事は無かったし、 組む必要のあるような依頼をそもそもあまり受けてこなかった。 それにーーー 意味の無い思考を続ける私の視界にふと黄ばんだ色に混じる白が写る、 アンジェから貰った書類に一枚だけ新しい紙が紛れていた。 何故? とは考えなかった。 一枚だけ新しい書類を手にした私は、いつの間にか紙に示していた興味をそこに書かれていた内容に向けていたからだ。 内容とは言えこの書類には、 見た事の無い顔写真と東洋で多く使われる字で書かれた名前、そして現在の居住地しか書かれていなかった。 まあそれも興味を引いた原因の一つなのだが、 「なんかひょろっとしてるけど運搬員やって大丈夫なのかしら」 そう心配になる様な体格 この書類を取るときに散らばった書類達に貼られた写真と比べると一目瞭然。 中肉中背なのだろうが運搬員としてはかなり細い事は間違いない しかし一度興味を持ってしまったせいか、 この男がどんな奴なのか気になってきた。 「このまま悩んでも決まりそうにないから頼りなさそうだけどこの人にするとしましょうか」
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