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眠気が訪れる午前11時30分。
今はまだ3限目の真っ最中だ。
特徴的な時間割をもつ私の通う学校は、午前3時間・午後2時間を65分授業で行っている。
先生が読む英文を子守歌に、私は心地好いまどろみの中にいた。
「……ん、藤島さん!」
先生の声で、現実に戻される。
曖昧に答えて苦笑をしながら、私は再びまぶたをおろした。
「ほんと、なんでそんなに堂々と寝れるんだかわからないよ」
ようやく授業が終わり、賑やかな昼休みになった。
私は親友の灯子と机をくっつけて向かい合いながら、卵焼きを口に入れた。
お母さんは、今日はちゃんと卵焼きを私好みの甘めにしてくれたようだ。
「仕方ないじゃん、眠いものはさ」
そうだ、仕方がない。人間欲求には逆らえないのだ。
得に私は三大欲求には忠実な性なので余計に。
「そんなこと、いつまでも通用すると思ったら大間違いだからね、沙叉?」
クスリと笑いながら、灯子は私の頭を小突いた。
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