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灯子とは保育園からの付き合いだ。 小学生までは互いに名前と顔を知っている程度だったが、中学に入り、帰りが同じ方向で、部活が一緒で、さらには自分の家の300m先に住んでいると知ってから私達は急速に仲良くなったのだ。 いつも大人びていて、真面目で、サバサバしてて、堅い印象の灯子。 でも私は知っている。 本当の彼女は優しくて暖かくて、可愛くて。 暖かい、日だまりみたいなんだって。 それは、私しか知らないこと。 「何ニヤニヤ笑ってるの?卵焼きとっちゃうよ?」 「あっ!ダメだよ!」 こんな意地悪もする彼女も、大好きで。 私達は本当に、いつも一緒…だったんだ。 放課後、私達は同じ部活に向かう。 女子バスケ部。 灯子は優秀な選手だ。私は中学のときに膝を壊してしまって、今はマネージャーをしている。 怪我をしたときは信じられなかった。 私は体が小さい分、動きとテクニックで勝負するしかなかった。 だから、毎日毎日限界になるまでトレーニングをしていた。 それが、いけなかった。 年齢不相応なトレーニングは、私の体に大きなダメージを与えた。 それに堪えられなくなった結果、私は膝を壊してしまったのだ。 ショックで部活に出れなかった私に、灯子はまっすぐ告げてきた。 『沙叉がバスケ好きなのは、自分がやってたからなの?そんなんで諦められる半端な思いなら、いつまでも部活にいないで早くやめちゃいな』 私は、灯子のこの冷たい言葉に悔しくて泣きながら走って家に帰った覚えがある。 でも、よく考えてみれば彼女の言葉の意味に気付いたのだ。 私がバスケ好きなのは、自分がやってるからって理由じゃない。 試合を観戦するのも、応援するのも好き。バスケそのものが好きなんだって。 だから私は、マネージャーとしてバスケを楽しむ道を選んだ。
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