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指導をしながらシュートを決める灯子。
「灯子カッコイイな…」
「おい、仕事しろ」
「いだッ!」
声とともにボールが腰を直撃した。
男子用のボールは女子用より重いのに…!
「何すんのよコヤマ!」
「ちげーよ、小野山だよオ、ノ、ヤ、マ。名前くらい覚えろ馬鹿」
「馬鹿って言った奴が馬鹿なのよ!」
「馬鹿で結構。馬鹿馬鹿馬鹿~」
「…ッムカツクー!」
ムカつくコイツは小野山亮介。私は名前が長くてコヤマって呼んでいる。
コヤマは一年生からずっとレギュラーで、選手としてはかなり能力がある。悔しいことだが。
ただ性格がこれなので、キャプテンにはなれなかった。
「灯子に見惚れててもいいけどさ、恵見習ってもっとちゃんと動いたら?」
言われて恵を探せば、ちょうど光輝にタオルを渡しているところだった。
他のメンバーも水を飲んだり、タオルを首にかけたりしていて、恵がちゃんと動いているということがわかる。
「わかったよ…。で、あんたは何しにきたの?」
「ん?灯子のプレーを見に来た」
「は?」
「なんてね」
コヤマは練習に戻って行った。
馬鹿でヘラヘラしてるコヤマ。
実際、何考えてるのかわからなくて恐い存在でもあった。
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