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“ノゾム”の足が踝まで刻まれた頃、大きな泣き声がピタッと止む。
急に静寂に包まれた部屋は血生臭い異臭が目立つ。
“ノゾム”の顔をみると、痛みに苦痛の表情を浮かばせながら油汗が顔中から噴出されて、目を閉じていることから失神している事が伺える。
ごめんな……
痛いよな……
助けに行けなくて本当にごめん……
“ノゾム”の苦しそうな顔をみると、伝っていた涙の線が太くなるのを感じた。
男の方を見るとさっきまで宝物を見るような表情で望を見ていた癖に、今や汚いゴミを見るかような目線で見ている。
「あーあ、壊れちゃった。泣き顔もっと見たかったのになぁ……」
ニヤニヤしながら残念そうに独り言を言っている男は訳の分からない音程の鼻歌を歌いながら包丁をクルクルと回す。
「残念……ちっちゃくて可愛かったのに……」
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