愛犬は逃げ出した

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いつもはゆっくりと歩く散歩道を、全速力で走る。 しかし、いくら走っても、探し犬は見つからなかった。 犬の悲鳴が聞こえる。 悲鳴のもとに駆け付ければ、犬と飼い主がいた。 「なんだてめぇは、俺達は紅団だぜ。」 「死ぬか、おい。」 周りから、雑音が聞こえたような気がした。 「助けて下さい。 少しぶつかっただけなんです。 私は謝ったのですが。」 雑音が聞こえた。 「あれやばいな、一人で紅団の前に立ちはだかるなんて、無茶だって。」 「ああ、紅団にとっちゃ、逆らう奴は何だろうが、犬だろうが酷い目に。 犬だろうが、だと。 辺りを見回す。 特徴的な赤ずくめの服装が、多分にっくき紅団だろう。 こいつらは敵だ、敵と認定しよう。 「貴様らはやっちゃならねぇ事をしようとしている。」 「はあ、何言ってんだお前。」 赤ずくめの一人が困惑の声を上げたところを、不意打ちヘッドバットをかまし、よろめいたところで、金的蹴り。 悶絶するその頭に、足を誇らしげにのせてやった。
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