愛犬は逃げ出した

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「いきなり、なんてことしやがるんだ。」 戸惑う紅団に対し、気分が良くなってきた。 悶絶している男に体重をのせ、更に踏みにじってやる。 「ふはははっ、愛犬家である俺の前で、犬虐待など言語道断。 貴様ら全員、ボコボコの刑じゃあっ。」 先程文句を言っていた、紅団Bに対し、顔面飛び蹴りからの、顔面飛び膝蹴り。 「俺達は、動物虐待なんてしてねぇぞ、どふぁ。」 紅団Cにも、とりあえず飛び蹴り。 「紅団の犬虐待は連帯責任により、有罪に決まってるだろうが。 歯ぁ食いしばれ。」 オラオラと蹴りつけた。 「だから、虐待してないって。」 紅団Cの涙声に、他の紅団の面々は逃げ出していた。 「覚えてろよ。 この、愛犬野郎。」 最後に残された紅団Cはよたよたと歩き去って行った。 正義は勝つのだ。 胸を張っていると、後ろから頭をはたかれた。 背後には、アルバイトの上司がいた。 社員さんというやつだ。 黒の背広姿の美人さんで、よく目立っている。
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