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タイキは思わず目をつぶった。
ガキィィィィーン!!
タイキの目の前に金属がぶつかり合うような音が聞こえた。
(………何だ?)
タイキは、恐る恐る目を開けると目の前には大剣を片手で構えた黒い髪の男とその隣で弓を構えた腰まで届く金髪の小柄な少女がいた。
「よぉ、大丈夫か?」男が振り返り訪ねてきた。
「あんた達は…?」タイキの口から真っ先に頭に浮かんだ疑問が出た。
「んっ?名前か?俺はヒュウガでこっちはモニカ、俺達…」
「ヒュウガさん、今はそんなことしてる場合じゃないと思うんですが…。」
「…それもそうだな。」と言うとヒュウガは片手で大剣を持ったままナルガクルガの方に向き直る。ナルガクルガは狩りの途中にじゃまをされてかなり怒っているようだ。
「おい、そこのお前しばらく下がってろよ。」ヒュウガがナルガクルガの方を向いたまま言った。
「…すぐ終わるから。」
そう言うとヒュウガは大剣を持っているとは思えない俊敏さでナルガクルガの後ろに回っていた。
ナルガクルガにとってもその速度は予想外だったらしく一瞬動きが止まるヒュウガはその隙を見逃さずナルガクルガの身体をなぎはらうあたりに血が飛び散る。
ナルガクルガも何とか反撃しようと攻撃するが全て大剣でうけながされている。だがナルガクルガも黙ってやられてばっかりではなかった。ヒュウガの振った大剣をバックステップでかわし空振りの隙を狙って飛びかかる。
「危ない!!!」タイキは、思わず声を上げた。
だがヒュウガは攻撃をかわそうとというそぶりを見せないそれどころかその口元には余裕の笑みさえ浮かんでいる。
ナルガクルガの攻撃があたる寸前それまで全く手を出さなかったモニカのはなった矢がナルガクルガの目を貫いた。あまりの苦痛にナルガクルガはふらついた。それと同時に最初に見せたスピードでヒュウガはナルガクルガに突っ込み大剣を両手で握りしめる…。そこから先はタイキには見えなかった。ただ気づいた時にはナルガクルガの身体は深く斬られ辺りには血の雨が降っていた。
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