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タイキは地底湖の前でドスゲネポスが来るまで肉を焼くことにした。
「ハァ……ドスゲネポス早く来ないかな………やっべ!肉焦げてる!!」タイキがあわてて火を消していると高台の上の方から物音が聞こえた。
「来たな…」一瞬でタイキの表情が変わった。タイキはドスゲネポスを甘く見てはいたが決して油断はしていなかった。
『ハンターにとって油断は死に直結する。』父から耳が聞こえなくなるほど聞かされたからである。
ドスゲネポスが高台から飛び降りると同時にタイキは太刀を抜き、切りかかった。不意をつかれたドスゲネポスはまともに攻撃をくらい倒れた。
だがタイキは深追いはせずいったん距離をとる、その後も決して深追いはせず敵の攻撃をかわしては、攻撃、かわしては、攻撃を繰り返す。
『モンスターとの戦いでは攻撃より回避を優先すべし』これも父から教えられたことでタイキは誠実に実戦していた。
そしてドスゲネポスが飛びかかってきた時に出来たすきを見逃さず気刃切りを叩き込む。
ドスゲネポスは、吹き飛びかすかなうめき声を上げ力尽きた。
「ドスゲネポス討伐完了っと!」元のゆるんだ顔に戻りタイキは鼻歌を歌いながら剥ぎ取り始めた。
…ドックン…
タイキは心臓をわしずかみにされたような威圧感を感じ、鼻歌と手を止める(後ろに……何かいる!?)タイキは背中の太刀に手をかけゆっくりと振り向いた。
…タイキの目に写ったのは…漆黒の影とそこに宿る2つの紅の灯火
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