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飴職人は置き屋台の道具を片付け、屋台主に声をかけ、明日以降にはいない事伝えていた。
屋台主は大目の金子を請求してきたが、飴職人は酒屋で見たあの文字が気になっており、普段ならもう少し値段交渉する予定の所を早々に払い引き上げた。
そのまま荷物を抱え草鞋を山歩き様に縛ると、周りを警戒しながら尾張の峠道に急ぐ
「!!!!!!!!!」
もう少しもう少しで尾張を後に出来ると確信していた飴職人だったが、峠に倒れていたお面屋の死体を発見してしまった。
「雪斎さまからの言伝だよ……
”土産もなしに顔をさらす忍びに帰る場所がある訳がない、潔く散るがよい”
だそうだ。」
飴職人もとい商人に偽装した駿河今川義元の忍びは声だけしか聞こえぬ者恐怖していた。
「お許し下さい……まさか顔まで知られる事になるとは思わなかったのです。」
「お前らに与えた期間と金は安くはないんだ。
しかも失敗に終わり、笑顔で帰参を許すほど”籐道衆”は優しいとは思ってないんだろ?」
「そ……それはもちろんでございます!!」
「なら孫一やお前は旅支度をしていたんだ?
おかしいじゃないか……」
「い……いや…あのそれは……」
「もういいよ……お前の言い訳探してる間に報告しないと俺の首も危ないからね。」
「あ………ああああ……ぐっ!!かはぁ……」
先ほどの声を最後にいままで媚びていた忍びはもんどりうちながら崩れ落ちた。
それを確認した先ほどの声の主はそっと林から現れると忍びの死を確認した後、駿河の方に向かった。
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