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何に導かれるように...僕は神殿の中へと足を踏み入れた。
来た道を振り返って見ると、そこには鋼鉄の壁が威圧するかのように立ち塞がっていた。
ーーーもう、あとには退けないという事かーーー
僕は改めて周りを見渡してみた。
部屋の広さは家屋にしてちょうど8畳くらい。無機質な鉄製の壁に囲まれた、何の飾り気もない部屋。まるで収容所の一室のような場所だ。
そして、プーンと漂ってくるこの異様なほどの腐卵臭...
(うぅ、ここって、何なの?)
(この先には、一体何があると言うの?)
【この先にあるもの。それは、あなたの心の終わり...そして始まり】
(えっ!?)
突然、女の人の声が部屋に響いた。
僕の頭に直接、語りかけられたような、そんな感じだった。
カズ「あなたは?」
僕が思わずそう訊ねると、声は優しく答えた。
【私は、エルフィード。風を守りし太古の神々の1人です。カズ...永く、あなたが訪れるのを待ち望んでいました。この世界に希望の光を差し込む事が出来るのは、あなた1人だけ...故に、これからあなたには、幾多の試練に挑んでもらいます】
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