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既にコカゲの顔は、生気が感じられない赤紫の色に変化していた。でも、いざ大蛇を目の前にした僕は、不思議と恐怖を感じなかった。
【ドクン!ドクン...!!】それと反して心臓が痛いくらいに鼓動する。この感じは...そう、シーネ王女の時のそれと似ている。
【ギシャー!!】
大蛇はギラリと僕等を威嚇したあと、象をも一飲みにするほどの大口を開け、コカゲを締め付ける力を弱めた。
【ドスン!】力なく地に叩きつけられるコカゲ。そして、問答無用、いきり立ったように襲いかかってきた!
【シャー!!】
カズ「うわぁっ!!」反射的に僕は目を瞑ってしまった!すると【ズバァァア!!】な、なんだ!?地面が真っ二つになったかと思うような耳をつんざく音が響いた!
続けて、聞き覚えのある男の人の声...
【ククク。この私に牙を向けるとは、愚かな。浅ましきアベル国王よ!】
【!!!】
おそるおそる目を開けてみると、そこには...!
なんと、縦方向に真っ二つにされた大蛇に片足を乗せ、むき出しにされた内臓のような物をムシャムシャと喰らうジールドさんの姿があった!
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