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カズ「うっ...!!」
あまりにも無残な光景を目の当たりにした僕は、吐き気を抑えられずに目をそらした。
大蛇の返り血で、紅く染まったジールドさんの後ろ姿が視界の端に映る。ゆっくりと、ジールドさんが僕の方に振り向いた。それと同時に、黒い光が無残な姿で横たわる大蛇の周りを包んだ。
バチバチと大蛇の体を取り巻くそれは、まるで雷のようだ。その時、黒い雷が一際激しく光り、弾けた。
光が消えた先に見えたのは大蛇の姿ではなく、傷ついた初老の男性だった。
カズ「まさか、この人が...王?シーネの...お父さん...」
ジールド「その通りだカズ。ふっ...しかし王といえど、こんな姿になってしまえば惨めなものだな」
もう動かなくなってしまった王を見下ろして、ジールドさんは不敵に笑う。
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