小包

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騎士は俺に気付いて近づいてきた。 騎士は全身を赤の装束で整えていて、右手には槍を持っている。 俺は少しビビりながら言った。 「すいません、ハインス城の騎士さんですか?」 「あぁ、そうだよ。君はアインかい?」 アインとは人間界の人の事を言う。 「あっ!はい!そうです!」 この騎士はいい人そうだ。 「そうか、しかし危なかったね」 騎士は笑顔で言う。 「助けてくださってありがとうございました!」 騎士は頷く。 「それにしても君は1人だけど、なにか用事で来たのかい?」 「えーっとマーグルさんに呼ばれて来ました」 俺は手紙をポケットから出して見せた。 「あぁ!君の事か!私はハインス城から君を迎えに来たんだ!」 「さぁ早く乗りなよ、マーグル様は君を待っているよ」 「ありがとうございます!」 俺はお辞儀をして、馬にまたがった。 「行くよ?」 「はいっ」 馬は走り出した。 俺は騎士のマントを掴み、落ち着いた。 騎士は前を向きながら言った。 「君、名前は?」 「奏 ソウヤと言います」
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