小包

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「はぁ……」 俺は今学校からの帰り道を歩いている。 いつもと変わらないこの道、なにも変わらない……… いい事なのか、退屈なだけなのか… 産まれてから引っ越しもした事もないのでずっと同じ風景、同じ街。 都会でもない 田舎でもない 街にはゲート1つのなにも変哲のない生活。 ずっと同じ生活のリズム。 飽き飽きする。 そんな事を考えていると家に着く。 いつも通りに鍵をだして部屋に入りリビングに向かう。 見渡す限り親は居ない 一通り部屋に目を通すと特に何もないのでソファーに座った。 ………。 なにもすることが無いのでただ無意識にテレビを付けた。 テレビでは幻界の王が養子を探しているとの事。 「へぇ~養子かぁ……あの王様は確か子供が出来なかったんだっけ」 そんなニュースを見ていると意識が薄れて睡魔が襲ってきた。 体が重くなり瞼を閉じようとした瞬間…。 ピンポーン!! 家のチャイムが盛大に鳴る。 ビクッと自分の体が震えた。その勢いのままに、玄関に走って行き戸を開けると、小包の配達だった。 茶色のダンボールを渡されると、ポストマンがハキハキした口調で言う。 「幻界からの荷物ですので、印鑑と身分証明書をお願いしますっ」
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