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闘技場の中心には、あの男の子が立っていた。
小さくこちらを睨んでいる。
「遅かったな?」
「ご、ごめん」
僕は少々おびえながらも、彼の前へと立つ。
ユナとヴィーク気遣いだろうか?
闘技場の端で見守ってくれている。
「ふん、まぁいいさ。俺の名はわかるか?」
彼がそう聞いてきたので僕は
「あ、アーメットくんだよね?」
と答えた。
すると、
「ああ、アーメット=スウェルだ」
と彼が名乗ったので、僕も礼をしつつ名乗る。
「ウル=サモンです」
彼はそれには興味がなさそうで、僕を見据えると一歩下がる。
「俺と勝負しないか?」
唐突に彼はそう言った。
闘技場の時点で予想はついていたけどね。
「最初からそのつもりでしょ?仕方ない、やろう!」
そう、アーメット君の目には闘志が光っていた。
それを見て、僕はやるしかないと思ったんだ。
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