回り始めた歯車

6/33
前へ
/293ページ
次へ
闇属性の魔武器は、与えたダメージが蓄積されて行く。 要するに、ダメージが抜けにくいので、戦闘には長けているのだ。 だからこそ、アーメット君の魔武器が闇派生なのは、ぼくにとってやりにくい。 「ジュナ、なんとかできないかな?」 「そうですね~、私の能力を使えばいいんじゃないんですか~?」 僕が聞くと、ジュナはそう答えた。 「能力……か」 僕だって能力は使いたい。 しかし、ゼロナスさんの言葉が本当なら、力を使うのは、ゼロナスさんに聞いてからでないと危険だ。 仕方ないと言わんばかりに、僕はジュナをアーメット君に向かって、構える。 「ふん、能力は使わないのか?」 「まぁね」 僕は何でもない様に言う。 「なんだか知らんが、まぁ、いいさ。いくぞ!」 アーメット君はそう言うと、さっきの3倍以上の速度で、レイピアをふるう。 呼応することで長さも増しているため、避けるのにかなりの集中がいる。 「くっ、はやすぎる…!!」 僕は何とか避けようとジュナを振るが、簡単に避けられてしまう。
/293ページ

最初のコメントを投稿しよう!

474人が本棚に入れています
本棚に追加