回り始めた歯車

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「どうした、その程度か?」 アーメット君はそう言いながら、動きをより早める。 「くっ、う、わっ!」 あまりに早すぎるのだろう、ついに僕は一撃もらってしまう。 それを皮切りに、何発も突きささる。 もし、ここが闘技場じゃなければ死んでるな…。 闘技場では、昔、スケアクロウのギルドマスターが掛けてくれた魔法の効果で、一定以上の怪我はしない。 仮に首を切られても、擦り傷程度になるのだ。 しかし、その分の疲労はきちんと受けるため、『怪我だけしない実戦』を行えるわけである。 「どうしたんだ?動きが鈍くなって来たぞ?」 そう言いながら、さらにアーメット君の手は早まる。 「うっ」 いくら怪我をしなくても、ここまで刺されればさすがにとてつもないダメージになる。 ぼくはそれに耐え切れず、声が漏れてしまった。 ユナやヴィークも心配そうだ。 こうなったら、仕方がない。 僕は全力で、レイピアを蹴り飛ばし、何とか後退する。 そして、僕は魔力を集結させた。
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