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ゼロナスさんはそこまで言うと、いつの間に出したのか紅茶を手に取る。
よく見ると、僕らの前にもあった。
僕らも少しだけ口をつけると、ゼロナスさんのほうを見る。
「その代償というのがね、俺たちもまだ全てを把握できてる訳じゃないから、正確ではないんだけどな?『身体の崩壊』みたいなんだ」
ゼロナスさんは、深刻そうにそう言った。
「身体の崩壊?」
「ああ、程度も回復の有無もわからないがな。ただ一つ、言えるのは、あまり使わないのが賢明ということだろう」
ゼロナスさんがそこまで言うと、唐突に応接間の戸が開く。
すると、白衣を着た僕らよりも少し年上のように見える男性が入ってきた。
「ゼロナス、一概にそうとも言えないだろう?」
男性はそう言いながら、僕らの方へと歩み寄り、僕の隣に座った。
「なんだ、聞いていたのか、ニール。で、一概に言えないってのどういうことだ?」
ゼロナスさんが、白衣の男性に言った。
すると、ヴィークが立ち上げり、驚いたような声で叫ぶ。
「ニール!?あのニールなのか!」
「どうも」
そういうと、ニールと呼ばれた男性は微笑んだ。
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