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ゴーン…ゴーン…ゴーン…
今、この場所で二人の子供が生まれた。
祝福するは教会の鐘の音。
その子達の名前はリンとレン。
双子の姉弟だった。
それから歳月が経ち、彼等は共に14歳になった。
しかし、その時には二人は既に違う世界へいた。
哀れな境界線を挟んだ、王女と召使となって………
――――――――――――
「王女、今日も散歩します?」
「もちろん!
早く私の愛馬のジョセフィーヌを連れてきて!」
「かしこまりました。」
ここはリン王女が頂点に君臨しているお城。
そして、その王女に仕えるのは黄色の髪をした召使。
その召使は今さきほど、王女から命令を受け馬小屋へと向かった。
「お待たせしました、王女。
準備が整いましたよ。」
「分かったわ。
すぐに出発よ!」
「はい。」
王女は召使を連れて城の外へ飛び出した。
――――――――――――
「ねえ?」
「何ですか、王女?」
「あなたはどこから来たの?」
馬にまたがった王女が言う。
その横で召使は困ったような顔でこう言った。
「…王女と同じ所から…かな?」
「はぁ?
もう…意味が分からない。」
ふふふ…と微笑んだ召使はまっすぐと前を見て、何かを思い出すように歩き続けた。
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