一章

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「柳 空君だよね?」 「人…違い。」 黒服の質問に半ば反射的に否定していた。 黒服の男は僕が否定すると、少し笑って、 「いいや、君は空君だ、間違えるはずがない……君をずっと見ていたんだからね。」 と黒服の男は告げた。 「あっ……ストーカー……ですね?」 「違うよ!?」 僕が思ったことを口に出すと、男は慌てた様子でその言葉を否定した。 「でも…僕は…男…なんだ……ストーキング…されても…困る。」 「えっ、だから違うからね?話を聞こう?」 「うん…、聞いてる……よ?…だから…ちょっと…人を…呼ぶ。」 「ごめんなさい、言い方が悪かったです!!私の話を聞いて下さい!」 教科書に載せられそうなほど綺麗な土下座をしている男を見て、 「滑稽」 という感想が浮かんだ。 「酷い!!」 「地の文にまで……反応……しない。」 「いや、口に出てたからね、滑稽って言ってたからね!?」 「ふふふ……わざと。」 「性格悪いな!!!!」 そこまで話した後、黒服さんは、軽く咳払いをしてから、 「とりあえず、私の名前は鷹月 一、漢数字で1と書いて"はじめ"って読むんだ。」
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