一章

6/6
前へ
/8ページ
次へ
「いっぱい……ある」 その言葉を聞いて、 「いいよ、言ってごらん?可能な限りで答えてあげよう」 と言うと開いてあったスケッチブックを閉じ、手で続きを話す用に促してくる。 僕はそれに頷くことで答えると、鷹月の用に指を二本立てた。 「まず…その…スケッチブックは……どこから?」 鷹月は、僕が"ス"と発音した瞬間にはスケッチブックを力一杯放り投げていた。そして、何かあったかな?と言いたげな顔をしてから、 「あんな物はどうでもいいよ、そんなことより怪異についての質問は無いのかい?」 「うん……無い…。だって……そんな物…"知ってる"」 "知ってる"僕がその言葉を発した瞬間、先程までの穏やかな雰囲気が消え、殺伐とした雰囲気に変化した。 「何故?いや、どこまで"知っている"んだい?」 鷹月は口調は柔らかなままだが、目付きは鋭くなり、刺すように僕を見ている。 その突き刺さるような視線に対し、バカにした用な視線を返し、 「貴方が……教えた…、やっぱり……貴方は…バカ」 とニヤニヤしながら答えた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加