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もう、何もかもどうでもよくなった
僕は自殺行為をした
僕が死んだって、誰も悲しまないのは十分承知だ
『…』
その時僕は
教室でいつもの様に罵声をあびていた
人が話す度に傷ついた
あれも僕への罵声だな…とか、
どうでもよくなった
といっても希望は少しでもあって。
でも今までの仕打ちのせいで感情を自分で感じなくなった
『はっ…疲れたなら死ねば?』
そんな声が聞こえた。
傷つくなかで、開き直り納得している自分がいた
窓に向かって歩きだすと罵声は止み、クラスメイトは僕の不審な行動に動揺しだした
『そっか………死ねば、疲れはとれる?』
『!?』
今までたくさんの痛みを味わってきた
けれど声は発したことなんて一度もない。
(…――それが何もできない僕の、せめてもの抵抗だったから。)
『何度逃げようと思っても光と闇が一気に追いかけてくるんだよ。ねえ、ここから落ちれば、全部なくなるのかな…』
窓の枠に手を置き、誰に聞くでもなく呟いた
『そ……な……』
誰かの声が聞こえた気がしたが僕は知らない
もう周りなんて見えない
何も聞こえない。何も視えない。
僕はただの陰だ。
光があっても手さえのびる力がない。
敵が、真実が光を増す程僕の陰りは強くなっていく
その陰りに安心しながら自分を保ち眠った
けれどそれももう感じない
何も、感じない
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