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何かの音に目が覚め、自分の腕に埋(ウズ)めていた顔を上げるとオレンジ色の空を背景に進がいた
音は進の声だったようだ
「やっと起きたか…」
溜め息混じりに出た声
「ん…今何時」
「疑問符をつけろ疑問符を。」
「僕の求めている答えじゃない。」
「あ~はいはい。6時半だよ。」
「…あれ」
この学校の下校時刻は5時
部活がある場合の完全下校時刻は6時
僕は写真部で、(水)(金)が活動日。今日は木曜日だから部活はないわけで「おい。」
「なに?今考え事してるんだけ『コラ!!!教室で何してる!!!完全下校時刻過ぎてるぞ!』…げ」
「さっさと帰るぞ。ほら。」
「え……ぅわっ」
悪い気はしなかった
むしろ嬉しかったのだから
そう。今僕は進と手を繋いで校舎を走っている
…こう説明をすると照れる
景色がすばやく変わる中、僕は色々な事を考えていた
―進の手、大きいな
―背中、大きいな
―先生に感謝しなきゃ
―僕が寝てる間、待っててくれたのかな
―嬉しいな
―でもやっぱり照れるな
―あぁ、やっぱり僕
この人が
進が
大好きだ。
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