第1章 はじまり

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“私が空くん(そらくん)に出会ったのは、冬休みの日だったね。 街はキラキラでいよいよクリスマスって感じで、なんか心がウキウキして。 ねぇ、覚えてる?” 綺麗だった紅葉も枯れて地面に落ち、冷たい風が追い打ちをかけるように冬を知らせる。 新しい学校にも慣れて楽しい日々が続いている。 「ねぇ!聞いてる!?」 「ごめん。ちょっとぼーっとしてた……。」 「奈留海はすぐぼーっとするね。考え事?」 私の名前は有沢 奈留海(アリサワ ナルミ)今年からこの大希学園に通う一年生。 隣のよくしゃべる女の子は親友の美紗ちゃん。 高校入って初めての友達で、何でも話せる大親友! あまり人とコミュニケーションをとるのが苦手で、一人でいる事が多かった私に、声をかけてくれた。 「大丈夫!考え事なんてしてないよ」 「そう?なんかあったら、この美紗様になんでも言いなさいよっ!」 「うん!ありがとね」 「いいの!いいの!」 「美紗は誰とでもしゃべれてすごいね。」 「まぁこちらの情報を把握するのも私の仕事だから。。」 「え?」 「ううん。なんでもない!いやぁ、さすがに12月は寒いねぇ」
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