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吐き気は次第におさまっていき意を決して前に進んでいく。
ものを散らしていなくてよかったと思う。暗闇に目は慣れてきているが足元などはよく見えない。躓いてこけたりはしたくないから。
暗闇の中に光が見えた。光と言っていいのかはよくわからないが、毒々しい紅色の光を纏った一本の刀があった。
ゾクゾクとした感覚を感じ腕を触ってみると鳥肌が立っていた。何が起こるのかワクワクしながら刀へと手を伸ばす。
刀に触れた瞬間触れた指に痛みが走る。手を引き触ってみると血が流れている。
―面白いじゃない
不適に笑いもう一度手を伸ばす。触れる前に一滴の血が刀に落ちてしまう。
嗚呼。せっかくの刀が私の血で汚れてしまう…。
なぜか悲しくなってしまう。
しかし、落ちた血は刀に付いたと同時にスーッと刀に染み込んでいきドクンッと鼓動を始めた。
そのはじめて見る摩訶不思議な光景に私はさらに胸を躍らせる。
これから何が起こるのか。
瞳を輝かせながら何が起こるのか、じっと待った。
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